
カルシュームカーバイドからアセチレンガスを発生させる方法には、湿式法と乾式法があります。
湿式法は反応に使用する水量が理論量の12~13倍である為、アセチレン滓(消石灰)は泥水状となりその取扱いは容易ではありません。
一方乾式法では、アセチレン滓は水分が5~7%乾品状態の粉末状が得られますので、そのまま容器or袋詰めで市販することができます。乾式法には、80~150mmの塊状カーバイドを使用する小型(傾斜型)乾式法(100~300Nm3/H)と、3mm以下の粉末カーバイドを使用する竪型乾式法(500~1250Nm3/H)とがあります。
原料カーバイドを3mm以下に粉砕したものを使用します。発生器に供給する前工程に、シールタンクを設け、大気側と発生器側圧力をマテリアルシール方式により遮断しながら原料を連続的にアセチレン発生器に投入します。よって原料投入は完全に自動化されています。
原料はシールタンクに入り、発生機側からのアセチレン逆流を防止するため、粉体レベルを常に一定高さを保つ様に制御しながら、投原スクリュを経て発生器に投入します。
発生器の構造は、縦型円筒ケースの中に、多段の円盤状棚と回転する掻取り羽根があります。始めの円盤棚の上には水シャワーがあり、散水することで水と接触したカーバイドは、反応しながら掻とり羽根で最下段まで順次落とされ、アセチレン滓(消石灰)となります。
副生滓は、アセチレン雰囲気側と大気側を遮断しながら滓排出機を経て系外へ排出します。
また、カーバイド製造工場で発生する屑カーバイド及び粉末カーバイドの処理にも使用できます。
発生したC2H2ガスは、除塵冷却塔に入り、発生器内で発塵したダストを除去し、常温に冷却して発生器の発生圧力でガスホルダーへ移送します。